この夏、気付けば学年の境を越えて言葉を交わすようになっていた恋のライバルたち。
休みの最後の思い出作りに、せっかくだからみんなで一緒に遊びに行こうなんて話になって。

「やっぱり今年も混んでるね」

着用必須の協定を設けた浴衣姿で、声音も明るく雑踏を歩む。
金魚すくいにりんご飴。規模はそんなに大きくないけど、出店も並んで活況だ。
竹寿司のおじさんが出す焼きそばは絶品と評判の名物。
あんまり慣れない草履の違和感も気にならないくらい、笑ってはしゃいで過ごしていたのに。

「ねえねえこれ見、………あれ?」
振り返った先に、残りの三人の姿がない。
嘘でしょう、メインのお楽しみがいよいよこれからって時に。
悲しいかな、私は見事にはぐれてしまっていた。









ろくな思い出がなかったような、よくよく考えると少しだけあったような今年の夏休み。
少なくとも天下統一には一歩も近付かず迎えた終盤。

(……どうせならあいつと来たかった)

―なんて夢のまた夢か。小さく嘆息しつつ、ひとり人混みを掻い潜る。
たこ焼き、焼き鳥、かき氷。たまの屋台メシは嫌いじゃない。
所狭しとびっしり水に浮かべられた蛍光色のスーパーボール。
うきうきとド派手な浴衣を身に纏っていた孔雀野郎の顔を苦々しく思い浮かべた時。

「…………何やってんだ、一人で」
視線の先で頼りなげにきょろきょろと辺りを見回すのは紛れもない想い人。
声をかけない手があるか?―否、あるわけがない。
逸る思いを抑えつけ、俺は一歩を踏み出した。





毎年恒例、並盛町納涼花火大会の夜。

空に浮かぶは大輪の花。今宵二人の間にも、小さなのつぼみが芽吹く―?







2010年の夏とラブルッス!メイン期間を締めくくるラストイベント!

4人連れ立って花火大会にやってきたラブルッス!女子が混雑の中でそれぞれを見失ってしまい、心細くうろうろしているところを見つけた罵詈嗚呼のメンバーが声をかけて―。というシチュエーションになっております。
舞台は花火大会の会場。活動の際は地元掲示板をご利用ください。今回も書き込みは女の子の方からお願いいたします。みんなとはぐれてしまった場面からスタートさせてくださいませ。タイミングはちょうど最初の花火が打ち上げられる頃となります。その後の流れは特に固定せず皆さまにお任せいたしますので、各ペアらしいエンディングに向け思い思いにお話を進めていただければと思います。
イベント期間は8月16日からメイン期間最終日となる25日までの10日間。
サードイベントと同じく女の子に関しては浴衣の着用を必須とさせていただきますが、罵詈嗚呼の面々の服装は自由となります。
ファーストの衝撃からここに至るまで、皆の気持ちに変化はあったでしょうか。それとも一向に揺るぎないままでしょうか。決まった正解はありません。夏の終わり、秋に続くひと時を思いのままにお過ごしください。